このページでは更年期障害(症候群)について解説します。女性であれば、誰でも経験する時期のトラブルです。
上手に付き合って我慢しないことが重要です。
更年期とは?
女性の一生のうちで、女性ホルモンのレベルは妊娠・出産といった生殖機能のある「性成熟期」をピークにダイナミックに変化していきます。「更年期」とは、「性成熟期」から卵巣機能がストップする「老年期」への移行期なのです。
女性が妊娠・出産といったリスクを伴う負担から解放される時期への準備期間といってもいいでしょう。つまり、「更年期」は誰にでも訪れる女性の一生の中での自然な身体の変化なのです。この変化には個人差があり、変化(特に女性ホルモン)による症状が強く現れる場合があり、これを「更年期障害」といいます
更年期障害の症状は?
更年期障害の症状はからだのあらゆる部分に現れてきます。
先ほども述べましたが、症状の現れ方には個人差が大きく、多くの症状にお悩みの方もおられれば、
ほとんど症状がないまま更年期が過ぎる方もおられます。
代表的な症状をまとめてみますので、あてはまる場合にはご相談いただけると良いと思います。
1 血管症状
のぼせ、ほてり、発汗、冷え、動悸、息切れ など
2 精神症状
いらいらする、憂うつになる、不眠、頭痛、めまい、耳鳴りなど
3 月経症状・生殖器症状
生理の異常、不正性器出血、性交痛など
更年期障害の治療は?
下記のような治療があります。これまでに述べてきたように症状には個人差が大きいため、個々に応じた治療の選択をしていくことが大切です。
① 女性ホルモン補充療法
更年期に減っていく女性ホルモンを補うことで症状を緩和する方法で、更年期障害の中心となる方法です。メリットとしては、更年期障害の症状の軽減、骨粗鬆症の予防が挙げられます。リスクとしては、血栓症のリスク増加や乳がんのリスク増加が挙げられます。もちろん、リスクを軽減するために必要な検査・対策をとっていくことになりますが、治療の開始に際しては担当医と十分相談する必要があります。
② 漢方療法
からだ全体の調子を整える目的で行われます。治療効果に関しては直接的ではありませんが、副作用が少ないというメリットがあります。
③ 対症療法
それぞれの症状に合わせた薬を使用することで症状の軽減をはかります。